アルバム「イコール・タイム」米ダウンビート誌レビュー

敦賀明子、グラハム・デクター、ジェフ・ハミルトン

Equal time (Capri)

Downbeat magazine by J.D. Considine

オルガニストの敦賀明子、ドラマーのジェフ・ハミルトン、ギタリストのグラハム・デクターで結成するオルガン・トリオは伝統的スタイルに沿ったストレート・アップでハード・スウィンギング。メンバー全員がスウィングすることのみに専念しているところが素晴らしい。そして彼らは紛れもなくスウィングする。

グルービーなスタートなのはいうまでもない。出だしのリズムが悪ければ、そこでB3オルガンを片付けて引き上げることもありうるからだ。ダイアナ・クラール、LA 4、その他様々なビッグバンドでの演奏でおなじみのハミルトンは、スキップ・ライド・スウィングが巧みで、力強い躍動感に隠された軽やかなタッチが特徴的なプレーヤーだ。でもこれはまだこのバンドの魅力の半分。残り半分は超人的、神秘的とも言える明子の左手のベース。まるでベーシストのようなラインでビートを押し上げる。

そんな二つの魅力をもったこのトリオは実にタイトでどんな曲でも彼らの音楽にしてしまう。ハンク・モブレーの“バプティスト・ビート”のような典型的なゴスペル風ブルース、スティーブ・アレンの“ディス・クッド・ビー・ザ・スタート・オブ・サムシング・ビッグ”に見られるアップテンポのスウィング、また、ジョン・コルトレーンによる“モーメンツ・ノーティス”では3拍子のワルツと4ビートを織り交ぜてトリッキーなリズムで優雅に滑るように、そしてソロではとびきりのグルーブを見せてくれる。

例えば、“アイ・リメンバー・ユー”の最後、 3人が8小節ずつ順にソロを回すところをぜひ聴いてほしい。デクターのクールでビ・バップ調の勢いに満ちた、しなやかな歌心あるソロ。ハミルトンはそれに負けず劣らずのメロディックなドラム・ソロで応えている。明子はさらにソウルフルなアプローチでブリッジへとつなぎ、ハミルトンが素早く粋なシンコペーションで返している。まさに“イコール(対等)”なバンド。正統派ジャズ・ファンたちが、明子やデクターがもっと評価されるべきだと思わずにはいられないほどの実力のバンドだ。

So Cute, So Bad
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